寒中見舞いはがきは、通常、寒い季節にお互いを思いやりながら近況を報告し合うために使用される季節の挨拶状でした。
しかし、近年では、年賀状が喪中で送れなかった場合や訃報が遅れた場合に謝罪を伝えるため、また、喪中の方にお見舞いの気持ちを伝えるために使われることが増えています。
寒中見舞いのいろいろな用途
喪中はがきの代わり
喪中のお知らせを送り忘れたり、年末に急遽喪中になり準備が間に合わなかったなど、このような場合年賀状を受け取った時は、寒中見舞いでお詫びとご挨拶を伝えましょう。
さらに、年末から急病にかかり、年が明けてからの逝去など、非常に忙しく、心情的にも動揺が続くこともあります。その後、静かになってから、寒中見舞いを通じて挨拶をすることも可能です。
年賀状の代わり
年末に家族の状態が急変し、年賀状のことが遠のいてしまうことがあります。無理をせず、年賀状の準備は後回しにすることも選択肢の一つです。
年が明けてから、状況が穏やかになったら、寒中見舞いを通じて挨拶をお伝えすることを検討してみてはいかがでしょうか。
寒中見舞いを送る適切な時期
寒中見舞いの適切な時期は、松の内の期間から立春の日までです。
松の内の期間は、元旦から始まり、一般的には関東地方では1月7日までとされています。
関西地方では1月15日までとする地域もあり、また10日までとする地域も存在します。
また、立春の日も年によって異なり、2024年の場合は節分の翌日である2月4日(日)です。
関東地方では一般的には1月8日から、他の地域では1月16日から、どちらも2月3日までが寒中見舞いの期間になります。
お相手に寒中見舞いが到着するためには、1月7日や15日に投函しても問題はありません。ですから、準備をお早めに行うことをお勧めします。
立春を過ぎてしまった場合
立春を過ぎてしまった場合や、立春以降に挨拶が必要な場合、寒中見舞いの代わりに余寒見舞いを利用することができます。
これは、残暑見舞いと同様の考え方です。
余寒見舞いは、通常、寒さが続いている時期に送るとされており、具体的な締切りは厳密に決まっていません。
しかし、暦に基づいて考えると、2月下旬から3月上旬は、雪が解け始める時期である「雨水」とされています。そのため、2月中旬を目安に余寒見舞いを送るのが良いでしょう。
寒中見舞いのマナー
寒中見舞いを送る際、以下のポイントに留意して作成しましょう。
- 余った年賀状は使用しない。
- 華美すぎず、爽やかさを心がける。
- 干支や日の出など、年賀状のデザイン要素は避ける。
- 自身または相手が喪中の場合、祝福の表現(「おめでとう」、「喜」「慶」「賀」など)は使わない。
寒中見舞いには写真やイラストを使用しても問題ありません。イラストを選ぶ場合、雪や椿など季節に合ったモチーフが適しています。郵便局で購入できる寒中見舞い用の葉書を使用すれば、手軽に寒中見舞いを送ることができます。
寒中見舞いの書き方
寒中見舞いの書き方について、以下の基本を参考にしてください。
- 基本の形: “寒中お見舞い申し上げます(定形文)”
- 相手を思いやる言葉および近況の尋ね
- ご自身の近況の共有
- 今後の交流を希望する言葉
- 送信日付
シンプルにまとめたい場合
3を省略することもできます。
また、寒中見舞い用の葉書には文字を書き込むスペースが制約されていることが多いので、バランスを考慮しながらレイアウトを検討しましょう。
年賀状の返礼が遅れた場合
3に年賀状の遅れを詫びる言葉を追加しましょう。
たとえば、「丁寧な年賀状をいただき、ありがとうございました。挨拶が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。」などのフレーズを利用できます。
相手が喪中の場合
2に「丁寧なご挨拶状をいただき、ありがとうございました。
喪中のため、新年の挨拶を差し控えさせていただきます。」などの一文を追加しましょう。
最後に、お相手の穏やかな新春を願う言葉で締めくくりましょう。
自身が喪中の場合
喪中はがきを出すのを忘れたり、年賀状を受け取った場合、松の内を過ぎてから寒中見舞いで挨拶しましょう。
必要に応じて、2に適切な詫びの言葉を追加し、自身の状況を説明できます。